2024年3月28日に東京薬科大学内でリアル脱出ゲーム「未知のウイルスによるエピデミック※1からの脱出」を開催しました。参加者の中高生は謎解きが得意なTOYAKU総合研究所の研究員として、大学内に隠された秘密をヒントを元に、エピデミックからの脱出を目指してもらいました!
※1 小規模の範囲で集団感染が起きている感染症のこと
今回のメインイベントである脱出ゲームについて紹介します。
Y県H市で原因不明の感染症が発生しました。TOYAKU総合研究所は感染症の拡大防止を頼まれ、抗体薬を作ることにしました。参加者の方々には、研究所の研究員として、抗体薬の作成を手伝ってもらうことになります。しかし、ウイルスの同定も行えていない状況の中、新たな問題が発覚します。ウイルス研究の最先端を行く「ユッキー博士」が失踪したのです。研究所メンバーは、大学内に散らばったユッキー博士の実験ノートや日記を集めながら、隠されたウイルスの真実に迫ります。無事にウイルスの種類がわかり、抗体薬をつくることができました。その後は、ライバル会社からのハッキングやユッキー博士の裏切りがあるなか、抗体薬はなんとか臨床試験に成功し、感染症からH市を救うことができました。
参加者の皆さんはとても積極的で、楽しくイベントに参加してくださいました。複雑なストーリー、大学生でも難しい謎解きでしたが、班のメンバーと協力して、無事全ての班がエピデミックから脱出できました。続編を望む声も多くいただき、作成者の私たちも嬉しくなりました。今回のイベントでは医薬品を作るために遺伝子工学※2の技術が使用されていました。遺伝子工学による医薬品の開発は実際にも行われている技術であり、合成生物学が実生活で活躍していることを知っていただきました。
※2遺伝子を改変することでその生物の性質や機能をかえる技術
脱出ゲームの後にはブレインストーミングを行い、合成生物学で実現できたらいいなと思う生物を一緒に考えました。タカの遺伝子を使って視力をよくするなど、ユニークなアイデアに溢れたブレストになりました。今回のイベントは、iGEMのEducation活動の一環として行われたものです。Educationはより多くの人に合成生物学の可能性や楽しさについて知ってもらうことを目標としています。イベントを通して、社会貢献になるような技術を合成生物学で実現できることや、普段何気なく生活しているところにもたくさんの科学技術が使われていることを知っていただけたら嬉しいです。
これからのEducationイベントでも、より多くの方に合成生物学の可能性を伝えられるよう精一杯努めていきます。最後になりますが、イベントに参加してくださった中高生の皆様、支援金を提供してくださった電通育英会並びにご協力いただいた皆様、本当にありがとうごさいました。
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